宣告・警告および特殊召喚に関する一般理論【長文注意】
警告の登場によって宣告との混同が目につきます。
しかし逆に考えれば、それらを比較することで何が無効にできて何が無効にできないのかをこれら2枚だけで説明できるのです。
ここには原則として
「チェーンに乗る特殊召喚」などの表現はありません。
大事なことは2つ
- 無効にする側のテキストを見て、判別できるようにする
- 無効にされる側がどのようなものなのかを知る
以下では
前回説明出来なかったものも含めてかなり細かく解説します。
目的
宣告と警告の違いから、特殊召喚の無効に関する基礎知識を理解する
また、「チェーンに乗る特殊召喚」などの表現でお茶を濁さない
宣告と警告のテキスト的違い
《神の宣告》
ライフポイントを半分払って発動する。
魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし破壊する。
《神の警告》
2000ポイントのライフを払って発動する。
モンスターを特殊召喚する効果を含む効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動、 モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚のどれか1つを無効にし破壊する
これらを分解する。
宣告と警告に共通しているのは
A.『モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する』
両者で違いがあるのは
B.「魔法・罠カードの発動を無効」
C.「モンスターの特殊召喚を含む効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効」
【ここで問題】
- ゴーズの特殊召喚効果を「宣告」では無効にできない。では「警告」では無効に出来るか。
- 魔法カード《融合》による融合召喚を妨害するためには、「宣告」のどの効果を使えばいいのか
ゴーズの特殊召喚は『効果モンスターの効果による特殊召喚』。手札のゴーズを相手に見せてその誘発効果を手札で発動させた上で、自身を特殊召喚するというモノ。つまり、警告にある『C.特殊召喚効果を含む効果モンスターの発動を無効にする』効果をゴーズの誘発効果にチェーンすることで無効にできる。
しかし、
宣告には『C』に該当するものがない。これは《ライオウ》も同じである。よって、宣告やライオウはゴーズの特殊召喚効果にチェーン出来ず無効にはできない。
では、《融合》の場合はどうなるだろうか。
融合は魔法カードであり、その発動には宣告の『B』の効果を使うことになる。また、融合は同時に「特殊召喚効果を含む魔法カード」でもあるので、 警告の『C』を適用できる。
【ポイント1】
- 宣告は魔法・罠カードの発動全般に対応できる。しかしモンスター効果の発動は不可。
- 警告は「特殊召喚効果を含む」のならば、魔法・罠カードおよびモンスター効果の発動にも対処できる。
両者に共通する「モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効」とはなにか
ゴーズの誘発効果に警告はチェーンできること。しかし宣告はできない。
【ヒント】
では、『ゴーズの特殊召喚そのもの』を宣告は無効にすればいいのでは?
それはできない。なぜなら、これがチェーン処理の最中に発生するためだ。
融合による融合召喚を例にだそう。
《融合》を発動した場合、宣告・警告はこれにチェーンできる。仮に発動にチェーンしなかったとする。
(発動時)
チェーン1:融合
妨害するものがないので効果を解決する。
(効果解決時)
手札やフィールドから素材を墓地に送る。素材に記載されている融合モンスターをエクストラから特殊召喚。
(/チェーン処理が終了)
融合の処理が終了した=融合によるモンスターの特殊召喚が成功した、といえる。
そしてこのモンスターの特殊召喚は宣告でも警告でも無効にはできない。なぜなら、モンスターの特殊召喚を無効にするというのは
『そのモンスターがフィールド上に
でる直前に発動してそれを無効にする』ことをいうためだ。
フィールドに”出てしまった”のならば、それを取り消すことはできない。
後付のような書き方をして申し訳ない
奈落の落とし穴が「召喚に成功した」モンスターを破壊するのとは対称的に、召喚そのものを無効にするカードはそれらのモンスターの召喚性行為後では発動自体ができないのだ。
【ヒント】
では、エキストラからでる直前を狙えばいいのでは?
これも不可能である。
エキストラから出るのは融合の効果処理時。カードを発動できるのはチェーンを組む段階だけで、チェーンの処理の最中に割り込むことは原則不可能。よって、チェーン処理においてエキストラからフィールドに出すまでの間に宣告を含めたあらゆるカードを発動することはできない。
ゴーズに関しても同様。ゴーズの誘発効果の処理を行うときに、宣告は割り込むことができない。これが『宣告ではゴーズの特殊召喚を無効にできない』と言われる理由だ。
【ポイント2】
- 効果モンスターの効果や魔法・罠カードの効果による特殊召喚「そのもの」には警告や宣告は対応できない。
- 召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にするためには、モンスターが手札や墓地・エクストラからフィールド上に出る直前に、発動しなければならない
サイドラや裁き、剣闘獣ガイザレスの特殊召喚を宣告が無効にできるのはなぜか
ここから先は慎重に読み進めてもらいたい。
前述では、宣告はゴーズの特殊召喚を無効にはできないと伝えた。
それは
- ゴーズの特殊召喚効果に宣告はチェーンできない
- ゴーズの特殊召喚は誘発効果のチェーン処理の中で行われるのでフィールド上に出るために、特殊召喚を無効にする効果を割りこませられない
では、サイドラの特殊召喚はなぜ無効にできるのか?あれはモンスター効果ではないのか?
結論からいえばモンスター効果ではない。あくまでもそのカードに備わっている召喚に関するルール効果によるものだ。これを略して「召喚ルール効果」などと表現する。なお、あくまでも非公式用語だ。
少し頭を整理しよう。
「モンスターの召喚を無効」にする場合、そのモンスターが手札からフィールド上に出る直前に宣告などを発動して無効にすればいい。では、その召喚行為とサイドラの特殊召喚は本当に違うのだろうか?
例をだそう。
《BF-暁のシロッコ》は上級モンスターだが一定の条件で「手札からリリース無しで召喚」できる。これもシロッコに備わった
召喚に関するルール効果だ。モンスター効果とし発動するわけではない。サイドラの場合、「召喚→特殊召喚」に置き換えただけ。
そして、シロッコはリリース無しで召喚してもそれ自体は「表側表示での通常召喚」と変わりない。これは宣告や警告にある『A.モンスターの召喚を無効』が適用できる。シロッコの召喚を無効にできるということは、同一原理であるサイドラの特殊召喚も無効にできるということだ。
ガイザレスに関しては、エキストラからの召喚ルール効果を使っての特殊召喚である。しかし、原理はサイドラと同様であり、剣闘獣をデッキに戻して自身をエクストラから出す直前に宣告などは発動できる。
なお、手札から表側攻撃表示での通常召喚だけを「召喚」と表現するのに対して、特殊召喚に関する召喚ルール効果はエキストラや墓地・デッキなどからもできる場合がある。だが原則は召喚と同様に手札からだ。
召喚ルール効果とその他の「モンスター効果による特殊召喚」の違い
結論を言えば、これはカードの個別裁定を見るしかない。
例えば、キラートマトは「戦闘破壊時の誘発効果」によってモンスターを特殊召喚する。 つまり、宣告には対処不可能で警告による『C.特殊召喚効果を含むモンスター効果の発動を無効』にする効果を適用することになる。
対して、《ライトパルサードラゴン》に備わっている光と闇を除外して自身を特殊召喚する効果は、効果モンスターの効果ではない。
よって、墓地・手札からの特殊召喚の際には、『A.モンスターの特殊召喚を無効』という宣告と警告の両方に備わっている効果を使用する必要がある。
【ポイント3】
効果モンスターの効果による特殊召喚なのか、そうでないのかは
カード毎の裁定を見るしか方法がない
「チェーンに乗る特殊召喚」という表現を使わないのはなぜ?
例えば《ライト・パニッシュ》というカードはゴーズの特殊召喚に対応するだろうか?
この説明を読んで理解したのならば、『A.モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する』というテキストだけなので、ゴーズには対応しないことがわかる。だが、これを『ライトバニッシュはチェーンに乗らないものだけを無効にします』と説明したらどうなるか?分類をしているだけで本質には届かない。
大事なのは、テキストを読めば無効にできるものがすぐに判別できること。 その判別さえ付けば、無効にする対象の側が何であるかを確かめるだけで問題ない。
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なんとなくまとめ
この説明は「本質に対してまっすぐ」に向き合っているものです。やや端折ってはいますが、本筋を外してはいないはず。でも、もっと短く出来るはずなんです。
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