一つ例を出しましょう。
《暗黒界の尖兵 ベージ》暗黒界の中で最もオーソドックスな効果です。では、ベージがどういう効果なのかを解説します。
このカードがカード効果によって手札から墓地へ捨てられた場合、
このカードを墓地から特殊召喚する
まず、ベージが特殊召喚できるのは《手札抹殺》《暗黒界の門》《メタモルポット》などの効果で捨てられた場合です。例えば暗黒界の門ならば、手札からベージが捨てられて門の効果で1ドローした直後に、墓地でベージの特殊召喚効果が発動します。
では、ベージの効果が発動しないのは何でしょうか。
これは『コストで捨てられた場合』が当てはまります。例えば《サンダー・ブレイク》や《天罰》で捨てられる行為は、発動コストという手段です。あくまでもサンダーブレイクの効果は「指定したカードを破壊すること」であり、カードを捨てるのはカード効果には当てはまりません。
また、「手札から」「捨てられる」という2つの条件も必要です。ですので《手札断殺》などの「墓地に送る」という効果では条件が満たされません。遊戯王では「捨てられる」と「墓地に送る」は同一ではありません。同時に、フィールド上やデッキなどから直接墓地に送られても効果は発動しません。
しかしここで「カード効果」と「発動コスト」ってどう違うのか、という疑問がわくでしょう。そもそもテキストに書かれているのは全てカード効果だと思っている方もいると思います。
例えば、こんなカードがあったらどうでしょうか。
『あなたは500円を支払います。あなたは遊戯王カード20枚を手に入れます』
このテキストを見て「あなたは500円を払います」というのが効果だと思う人はまずいないでしょう。当然、これはカードの効果を使うための発動コストです。カード効果とは「遊戯王カードを20枚手に入れる」という部分です。昔からのカードはコストか効果がわかりづらく書いてあります。しかし、このような日常的な文章に置き換えれば決して判読が難しいわけではないことがわかります。もちろん、公式の裁定が全てですから文脈だけで判断してはいけません。
以上が暗黒界の基本知識のひとつです。
暗黒界のストラクチャーは帝王のストラクチャーと並んで遊戯王の基礎情報が詰まったものでもあります。使っていけばなかなかいい勉強になってくれるでしょう。
次回はシルバなどの「追加効果」についてです。